給与の話の前に準備すること
話す前に、等級・公開されている年収の幅・自分の成果・下限を紙に書く。仕事内容を揃えてから、一点ではなくレンジで交渉する。
目的は条件を揃えること。勝ち負けではない
欲しい結果は、実行できる書面です。基本給、賞与、等級、次の見直し日が書いてあること。声の大きさの勝負ではありません。準備が具体的なほど、「予算はこれだけ」で話が終わりにくくなります。
先に二種類に分ける。譲れないもの:たとえば基本給が一定額を下回るなら探し続ける、リモート必須、など。交換できるもの:サインオン、前倒しの評価、肩書き、休暇。基本給だけを見ていると、一度断られたときに次の手がありません。
公開統計の P25・中央値・P75 は地図であり、オファーではありません。同じ種類の仕事・同じ地域の年収中央値は「サンプルの半分はこれより下」という意味です。年数と成果で中央付近か上寄りかを決める。中央値を「会社が必ず払う額」にしない。
手順1:この求人がどの等級かを確認する
同じ職種名でも、会社が変わると一段階か二段階ずれることがあります。面接の直後に書く:誰に報告するか、部下がいるか、どこまで自分で持つか、当番や出張があるか。これで妥当な年収が変わります。
採用側に直接聞く。「社内のどの等級に相当しますか。1年目の成功は何で判断しますか。」等級が曖昧なら、成功基準で固定する。等級を揃える前に数字を出すと、こちらは上位、相手は中位の予算、というすれ違いが起きます。
相手の言葉をメモする。あとで確認メールに同じ言い方を使う。「話した職責は……、等級は……。」口約束のまま入社すると、薄くなりやすいです。
- 報告先、部下の有無、当番、出張
- 社内等級
- 1年目の成功基準を3つ
- メールに残っているか
手順2:年収の幅と成果を3つ書く
評価ツールで近い職種と地域を選び、年収の P25・中央値・P75 とサンプルの年を控える。そのうえで三本線を円で引く。これ未満なら辞退、これが受け入れ目標、さらに上は根拠が強いときだけ。すべて年収で揃え、月給と混ぜない。
成果は3〜5件。追及されても答えられること:規模(人数、件数、金額)、品質や速度、自分が何をしたか。本番ではこの仕事に一番近い2〜3件だけ話す。履歴書を最初から読まない。
経験年数は短くても完結した仕事があるなら、なぜ中央より上を見るのかを具体的に説明する。年数は長いが直近1年の成果が薄いなら、中央付近に置き、次の昇給や昇格の時期を聞く。上限を無理に主張しない。
手順3:総額の中身を聞いてから比べる
希望額を言う前の質問:基本給は税前か、年に何回払うか、目標賞与は何%で過去2年の実支給はいくらか、株式やストックオプションは何年で確定するか、サインオンに在籍条件があるか、給与見直しはいつか。
「年収パッケージ」と言われたら、その言葉に何が入るかを聞く。未確定の株式を初年度の現金のように数える会社もあれば、基本給だけを指す会社もある。定義が違う数字は、公開統計の賃金中央値と並べられません。
福利は別にメモする。保険、休暇、リモート、通勤や住宅の補助。賃金統計には入りにくいが、自分にとっては年に数十万円分になることがある。会社のパンフレットの「総額」ではなく、自分の生活コストで換算する。
手順4:まとまらなかったときの次の手
交渉が折れたとき、現実の選択肢は何か。今の仕事に残る、ほかに面接が2件進んでいる、基本給は少し低くても半年後の見直しが書面なら受ける。これが言えると、「その額では難しい」と落ち着いて言えます。
次の手がないと、下限を大きく下回る条件を恐くて受けるか、感情で断るか、どちらかになりやすい。次の手は「より高い内定がすでにある」とは限らない。「あと3週間は面接を続ける」でもよい。ただし、3週間後に何もなければ下限を変えるのか、自分に正直に決めておく。
基本給が動かないときに受けられる交換を先に書く。サインオン、オファーレターに書いた評価日、等級を一つ上げる、など。その場で考えると、相手の一つの数字に流されます。
話す順番
六つの順で固定する。進捗への礼、職責と等級の確認、同じ地域の近い仕事の公開年収を見たこと、一点ではなく幅、賞与と株式の聞き方、黙って相手に話す余地を渡す。
自分の言葉の例:「1年目の成功の見方を先に確認したいです。この地域の近い職種の公開年収では、中央値がこのあたりです。前職で自分で完了した二つの成果を踏まえ、等級と賞与の割合を見て、中央からやや上で相談したいです。」
最初に「下限はこれです」と言わない。書面の内定がないのに「他社のほうが高い」とも言わない。前者は最後通牒に聞こえ、後者は根拠のない圧力です。本当に断る覚悟があるときだけ、下限を言い切る。
- 職責が先、金額は後
- 幅で言い、根拠を添える
- 賞与と株式を聞く
- 言い終えたら間を置く
当日中にメールで確定する
通話から2時間以内に短いメールを送る。事実だけ:職責、等級、相手が出した年収または幅、未確認の賞与と株式、自分が返事する日。このメールで値上げをやり直さない。
「口頭で決めて、契約はあと」と言われたとき、そのメールが記録になる。署名の前に、通貨、支給回数、サインオンの在籍条件が一致するか見る。違うなら入社前に聞く。
2日返信がなければ、同じ未決事項だけを丁寧に追う。新しい要求を足さない。あとから金額を上げたように見えます。
一度の会話を最後までたどる
ある都市のカスタマーサポートの公開税前年収が、P25=420万円、中央値=510万円、P75=630万円だとする。経験4年、新人指導をし、繰り返す問い合わせの処理時間を約2割短くした。下限は420万円ではなく480万円、目標は560万円、上限は600万円と書く。三つとも基本給の年収。賞与は別の質問。
相手が「500万円くらい」と言う。先に、基本給か賞与込みか、年に何回払うかを聞く。税前の基本給だと分かったら、「公開の中央値はおよそ510万円です。新人指導と、ある問い合わせの時間を2割短縮したので、基本給は540万〜580万円で相談したいです。賞与の割合も伺いたいです。」と言って止める。
相手が基本給は520万円までと言う。すぐ数字を変えない。先に書いた交換を出す。サインオン30万円、または6か月後に書面の基準で見直す。両方断られたら下限で判断する。520万円は480万円より上なので、見直し日がオファーレターに入るなら受けられる。日付がなければ面接を続ける。安心しただけでその場で約束しない。
その夜のメールには事実だけ。職責は一次対応と指導。相手の基本給は520万円。見直し日をオファーレターに書くかを確認した。返事は水曜まで。このメールで目標を600万円に上げない。
話す前の確認リスト
次が揃うまで給与の本談に入らない。等級と成功基準、年収の P25・中央値・P75 と年、下限・目標・上限の三つの円額、説明できる成果2〜3件、総額の質問リスト、まとまらなかったときの次の手、確認メールの下書き。
現給を聞いてよいか、競業、株式の税は国で違います。これは転職の準備手順であり、法的・財務的な助言ではありません。ビザ、競業、国境をまたぐ税は現地の専門家に確認してください。