二つの内定の比べ方
二つの内定を基本給だけで比べない。両方を「1年目に期待できる税前の現金」と「安定した年の現金」に直してから、職責・等級・受けない条件を見る。
先に単位を揃える
A社は年収、B社は月給に目標賞与。そのまま比べると、ほぼ必ずどちらかを誤る。両方を書く:税前の基本給(年の支給回数)、過去の実支給か相手が示した支給幅、1年目の一時金。
通貨が違うときは、比べる日のレートで揃え、日付を書く。「だいたいのレート」は使わない。ドルと円は、元の通貨の列と換算の列を分ける。
株式を初年度に全額入れない。確定する年ごとに、保守的な価格で割る。未上場は「価値ゼロ」の列も置く。うまくいったときの現金と、ゼロのときの現金の両方を見る。
1年目と安定年を分ける
1年目にはサインオン、引っ越し、満額でない賞与が入りやすい。今後12か月の現金を見るには向く。毎年の収入としては向かない。
安定年は一時金を外し、基本給、実支給の履歴で見積もった賞与、毎年確定する株式だけ残す。その安定年を公開統計の中央値と比べ、中央値に賞与が入るか確認する。
「1年目の総額」だけ強調されたら、安定年の数字をもらう。1年目が高く2年目に落ちるのは、よくある構造であり、計算ミスとは限らない。
1枚に置く列
列の例:基本給、目標賞与、実際に期待できる賞与、年あたりの株式、サインオンと在籍条件、出社日数、通勤かリモート、休暇日数、自分負担の保険、試用期間、次の見直し日。
列ごとに単位を一つにする。休暇の日数を「お金みたいなもの」に換算しない。その日数のために、計算できる現金を本当に手放すときだけ別記する。
受けない条件は別列で赤にする。特定の都市へ転居必須、ビザ支援なし、業界全体を覆う競業。これらは点数にしない。そのオファーを否決する。
- 基本給は年の支給回数で
- 賞与は実支給で、目標ではない
- 株式は年ごとに割る
- 一票否決は別に書く
肩書きより職責と等級
「マネージャー」が部下なし、「シニア」が実行だけのことがある。両方の1年目の成功基準を表の下に書く。欲しい実績に近いほうに点を入れる。肩書きが良いだけでは点にしない。
過去12か月、このチームで書面の基準により何人昇格したかを聞く。基準のない「成長の余地」は現金の代わりにしない。
等級が自分の根拠より明らかに低いと、年収が中央付近でも次の段を低く固定することがある。入社後に直す前提にせず、表にリスクとして書く。
公開の幅と照合する
同じ種類の仕事・同じ地域の年収 P25・中央値・P75 を見る。安定年の現金が P25 未満で職責は上位なら、等級が低く付いていないかを聞く。P75 を大きく超えるなら、未確定の株式を給与に数えていないかを聞く。
リモートが居住地基準なら、その地域の幅を使う。本社所在地の幅は使わない。地域を間違えると、同じ内定が高くも低くも見える。
このサイトの数字は参考の帯です。内定は書面が決める。公開の幅は、その条件が低め・中央・高めのどこかを見るために使う。
点数が近いとき
現金の差が小さいときは、長く残る三つを見る。上司が第1四半期の成果を具体的に言ったか、チームは昨年安定していたか、2年後に欲しい等級の証拠がこの仕事で作れるか。
ビザ、転居、リモートを取り消せるかはリスク列。耐えられないリスクが一つあれば、現金が高くても「始めてから」にしない。
返事の日を決める。その前に、不明な条項をメールで確認する。期限のない待ちは両方の内定を腐らせる。確認の前に署名しない。
並べ方の例
円の例(実オファーではない)。甲:基本給 700万円、目標賞与 10% で過去2年は約8割支給、株式なし、サインオン 40万円で1年在籍。乙:基本給 650万円、目標賞与 15% だが実支給は不明、株式は保守的に年 60万円、1年目の引っ越し補助 80万円。甲は確認できる安定年の現金が高い。乙は1年目の現金が多く見えるが、賞与と株式が不確か。予測できる現金が必要なら甲が先。変動を受け入れ、株式がゼロでも暮らせる基本給を書いてあるときだけ乙を検討する。
ドルの内定はドルの列で同じように並べ、円と大小を直接比べない。換算し、レートの日付を書く。
複雑な株式と国境をまたぐ税は専門家へ。この文章は比べ方だけです。