公開給与統計の読み方
公開給与統計は、サンプルに入った人の分布です。会社のオファーではありません。職種・地域・年・「年収・税前」を揃えてから、P25・中央値・P75 を話し合いの地図にする。
この数字が言っていること
労働統計(例:米国労働統計局の職業別雇用・賃金)は、ある職種・ある地域・ある年に調査された賃金を並べたものです。「そのときサンプルの人はいくらだったか」に答えます。「あなたが取るべき額」や「この会社が明日出す額」には答えません。
オファーは予算、スキルの希少さ、成果を説明できるかでも変わります。表にはそれがありません。このサイトの幅は会話の準備であり、採用や金額の約束ではありません。
脚注を先に見る。時給を年収に換算したのか、もともと年収なのか。賞与は入るか。全国か一州か。脚注が違う二行は横に比べない。
P25・中央値・P75 の使い方
中央値(P50)はサンプルを半分に分けます。平均より安定しやすい。極端に高い・低い数件に引っ張られにくいからです。話では錨にして、年数と成果で上げ下げする。
P25 から P75 は、おおよそ真ん中の半分です。根拠が薄い、または職種を変えた直後は P25 から中央値。希少なスキルと確認できる成果があるときだけ、中央値から P75 を検討する。根拠なく上限を求めると、例を聞かれた時点で止まります。
理解用の例(実オファーではない)。ある地域の近い仕事の税前年収が、P25=700万円、中央値=950万円、P75=1,200万円だとする。経験3年で仕事を一通り自分で終えた人は、中央からやや上、およそ 950万〜1,100万円で相談するのが現実的です。「必ず 1,200万円」とは言いません。
- 中央値:錨にして根拠で調整
- P25〜中央:根拠が薄い・転職直後
- 中央〜P75:確認できる成果が必要
- 幅で言い、根拠を添える
比べる前に揃える四つ
職種。統計の区分は求人票より広いことが多い。「開発」に初級も責任者も入ると、金額が広がる。求人に一番近い行を選ぶ。管理職の表を担当者に当てない。
地域。物価と産業の集まりで賃金は変わる。リモートは、会社所在地・自分の居住地・全国一律のどれかを聞く。三つで金額はずれます。
年。調査は1〜2年遅れることが多い。古い表を下絵にし、金額が書いてある直近の求人を5〜10件見る。古い表だけだと、需要の高い職は低く見えがちです。
単位。全部を税前の年収に揃える。月給なら、年12回か13回か14回かを聞いてから掛ける。月給と年収を混ぜると、高く見えすぎるか安売りになります。
賞与と株式は賃金表とは別
多くの賃金調査は賃金が中心です。賞与は脚注にあるか、無い。 「パッケージ」と言われたら、固定がいくらか、会社や個人の成績次第がいくらかを聞く。目標賞与は、実際に払われた額ではありません。
株式やストックオプションは職業別賃金表に入らないことが多い。未確定の付与額を初年度の賃金に全額足して中央値と比べない。確定する年ごとに割る。
保険、休暇、リモートは別行。自分には年に数十万円の価値があっても、「統計と比べる一つの数字」に混ぜると比較が壊れます。
よくある読み間違い
中央値を「公正な給与」や「会社が払うべき額」とみなす。中央値はサンプルの真ん中です。根拠が下なら、上を狙う理由が要ります。
全国の数字で物価の高い都市を話す、または物価の高い都市の数字を、居住地基準のリモートに使う。地域が違う幅は参考になりません。
一つの数だけ覚える。交渉に余裕がない。P25・中央値・P75 を書くと、相手の額が低め・中央・高めのどこかが分かります。
年と通貨を無視する。5年前の表と今年のオファー、ドルと別の通貨を同じ数として扱うと、結論が違います。
会話での言い方
終えた仕事を先に話し、そのあと幅を出す。逆だと値札に聞こえて、根拠に聞こえません。
使える形:「この地域の近い仕事について、[年]の公開年収を見ました。真ん中の半分はおおよそ P25 から P75 です。自分で完了した二つの仕事を踏まえ、中央からやや上で相談したいです。」金額はメモした円に置き換える。
相手が先に幅を出したら、基本給か総額か、年収か月給かを確認する。同じ職責で全体が公開 P25 より下なら、等級が低いのか予算が止まっているのかを聞く。意味を確認しないまま受けない。
このサイトとの使い方
評価ツールは、選んだ職種・国・地域の年収 P25・中央値・P75 を、出典と年つきで出します。編集した参考帯であり、各社の予算をリアルタイムで取ったものではありません。
国を変えたら現地通貨で読む。英語の例はドル、日本語の例は円です。英国を選んだ結果はポンドです。頭の中でドルに置き換えない。
スキルのチェックは幅の中で位置を少し上げるだけです。会社が昇給を約束したわけではありません。本番の前に、公式統計の脚注をもう一度見る。
話の前の1枚
1枚で足りる。職種と地域。P25・中央値・P75・年・通貨。下限・目標・上限。成果三つ。まだ聞くこと二つ(賞与は入るか、給与はどの地域基準か)。
この文章とサイトの数字は転職準備用です。法的・税務・財務の助言ではありません。給与の話のルールは国で違います。